〜写真でめぐる矢堀孝一セカンドアルバムレコーディングレポート〜
text by shinobu ishihara

レコーディング前、2度にわたりリハーサルが行われた。
前作”b”は事前に大まかな打ち合わせのみで音作りそのものはレコーディングスタジオに入ってからのほぼ一発録りのまさに”Jazz”な方法であったが、今回は山木氏からの提案もあり、リハをしっかりと行い”やや作りこむ”感じを狙った。

その辺の方法論に優越は決してないが、そうした方法の選び方は必然的にサウンドに影響し、2度の綿密なリハーサルはもちろん今回の作品の音を決定付けるものとなった。

レコーディングがおこなわれた”タワーサイドスタジオ”はその名の通り東京タワー横にある。8月18日、19日共に快晴。

メンバー、予定通り13時にスタジオ入りし、順調なスタート。

Flagile等でレコーディング経験も豊富なリーダー矢堀氏は特に緊張する事もなく着々とレコーディングを進行。そのギタープレイの素晴らしさ、作曲を含めたサウンド構築のセンスは図抜けたものがある。今回はセルフプロデュースということもありレコーディング進行全体を取り仕切る立場でもあったがそうした場面でのクリエイティブな雰囲気作りができる点もアーティストとしての行き方を決めている。音楽的才能と共にそうした人間性は最も大切な事。

岡田氏のレコーディングは初めて見たがそのプレイはまさに圧巻。テイクを幾度重ねても毎回かならず”見せ場”をつくる。テクニカルなソロプレイを操るベーシストには必ず色濃くジャコのプレイが反映されている(それは素晴らしい事だが最近は「またか・・・」と思うことも多い)が、彼のフレーズはもっと多彩なオリジナリティーをもっている。「影響されたミュージシャンは?」 とお決まりの質問をしたところ「スコット・ヘンダーソン」と答えていた。

今回岡田氏の楽曲も1曲収録されたがマイルスバンドのファンクを思わせるアルバムの1つの見せ場ともいえるテイクとなった。

ご存知巨匠、山木秀夫。スタジオにいる誰もがそのサウンド、そのプレイに圧倒されつづけた。

山木氏の入魂のプレイの存在感はあまりに大きい。この人が積み上げてきたドラミングの集大成ともいえる技を全編にわたって収めたアルバムは近年ないのではないか?それは今回のアルバムの存在価値として非常に大きなものでもある。

 

(上)矢堀氏のソロプレイに満面の笑みでOKを出す山木氏。
「今回私は”監修”ですから」と、レコーディング全編にわたってその豊かな経験と独自の音楽観を活かしたアドバイスをしてくれ、Co-Producer的役割を果たしてくれた。

難曲の録りを前にしたミーティング中「僕のプレイをよく聴いてそれに付いて来れば大丈夫ですから」とまさに巨匠の言葉も・・・。

豊かで太いサウンドを収録してくださったエンジニアの松本氏とアシスタントの竹田さん。彼らのチームワークで録られたサウンドはまったく優秀でメンバー一同大満足の素晴らしい音が収録された。
レコーディングを終えて。
初日11:30、2日目11:00終了と、濃密かつスムースなレコーディングであった。